第77回 四つの言語の「中」と「狭間」に生きるとは?2023年11月 25日
インスピレーショントークは、長坂道子さん(写真)、随筆家、翻訳家、です。
キーワード:四つの言語、四つの文化圏、作家、言語と思考
ヨーロッパに住むと、二つ、三つの言語を使う機会はかなりあります。ヨーロッパでは国々は陸続き、自然と異なる言葉や文化を持つ人が古来から往来した地域だからです。人が言葉を運んでいるのです。
例えば、長坂さんのお住まいになるスイス。スイスの主な言語は、ドイツ語、フランス語、イタリア語の三つ。その上、英語はスイスの言語ではありませんが、母語の異なる人々が会話する場合や、国をまたがる仕事の場面でよく使われます。
長坂道子さんは、日本語、英語、フランス語、ドイツ語(その上、スイスドイツ語も)を使って生活される中で、主に日本語でモノを書き続けておられます。また、執筆のための取材は、英語、フランス語、ドイツ語などでも行われます。日々四つの言語を使い分けながら、文筆活動を続けるとはどういうことなんでしょう?
そしてまた、ご家庭の中でいくつもの言語はどのように使いわけられているのでしょう?
- なぜ、四つの言語を使う生活をされることになったのですか?
- 四つの言語の「中」と「狭間」を感じるのはどういうときですか?
- 文筆家として、一つの言葉で仕事をする場合といくつもの言語を駆使する場合とでは、何か違うことがありますか?
- 四つの言葉を頻繁にお使いになる日々の中で、それぞれの言語の背景にある異なるものの考え方にご自身をどう位置づけておられますか?
- 異なる言葉や文化を持つ人々が、互いに理解し合い、共存して行くために必要なのはなんだと思われますか?
★ 長坂道子さん 御略歴
エッセイスト 京都大学哲学科卒。雑誌編集者を経て1988年渡仏。パリ、ペンシルベニア、ロンドン、ジュネーブ等に移住。現在はチューリッヒとパリに在住。著書に『アルプスでこぼこ合唱団』『パリ妄想食堂』『難民と生きる』など。2023年8月、初めての文芸翻訳『ジャコブ、ジャコブ』を刊行。