翻訳は社会の違いを隠すーーこともある
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【翻訳のかげに社会の違いが隠れてるって?】
あなたはどこかの子供に年齢を尋ねるときに何と言いますか?
最近英語の字幕の付いた日本映画を見ていて面白かった。
ある場面、やさしそうな女の人が、近所の子供に年を尋ねている。
「今、何年生?」ーー学年を聞いている。
字幕の方は、“How old are you?”ーー年齢を聞いている。
英語では”What grade of the school are you in” などとは決して子供に尋ねたりはしないだろう。
それで思い出した、日本では学年と年齢が一致するんだった!だからこんな聞き方ができるのだ。
スイスでは違う。年齢と学年は必ずしも一致しない。同じクラスの年齢の違う子供たちがいる。というのも、学力が不足し進級するには不十分と認められた子供は、同じ学年でもう一度勉強するからだ。つまり、落第である。
ところが、スイスでは小学生の落第は不名誉でもかっこ悪いことでもないんだそうである。スイスで3人のお子さんを育てている道子さんのお話しだ。
親も周りの人も「自分に合ったペースで勉強できていいじゃない?」とおおらかなものだそう。
たかが子供に年齢を聞くことからして、あちらとこちらの面白い違いが見えてくる!
ただしこれがビジネスだとしたら、笑い話で済まされない事が起きてくる。日本人上司と現地人スタッフの意識のすれ違い、合併相手の企業文化との不和などは、大抵はこういう小さな価値観や互いに思い込んでいる「これが常識」の食い違いが原因だ。
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