30年ぶりに戻ったら (35) — それでもムッとするスイス
【まちがっているのはあなたです】
スイスを引き払って2ヶ月。そろそろテレビ受信料や健康保険などの契約解除の後始末が、終わりに近づいた。払いすぎたお金の返金がパラパラと銀行口座に入ってくる。大抵の契約サービスは、国外に移るというと払ったお金を計算してとりすぎた分を返してくれるのだ。
律儀なスイス、ありがたいなあ。
ところがスイス国鉄(SBB)は違った。
私は年払いの「半額カード」サービスを契約していたが(写真)、黙っていると自動的に更新するようになっている。契約更改は7月なのでSBBのウェブサイトにログインし、契約解除手続きをしようとした。
国外転居につき契約解除します、と理由を書き込み、税務署から発行された国外転居許可証を添付しようとするとエラーメッセージが返って来るではないか!
「あなたの添付した書類は形式が違っている。JPGかPDFに直すべし」
ムカッ!私の添付した書類はJPGだよっ!ーー思わずスクリーンに向かって毒づく。
そうだった、スイスにいたとき、時々こういう言葉のセンスにぶつかって腹を立てたものだった。一方的というか、むきつけなのだ。
今いる日本ならそんなことはないだろう。同じことを言うにもいきなり「あんたが悪い」とは言わないに決まっている。
これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。
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学びのポイント:日本の人の顧客に対する言葉遣いはとても丁寧だ。更にそこにへりくだった気持ちが籠もっている。そいうことは日本の外では*まったく*期待できない。ついいつもの気分でいると、「え!」と思うことがある。そういうときは、文化ボケは自分だと思って諦めよう。
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- 私は30年間欧州で暮らし、目からウロコの日々でした。価値観の逆転、国際ビジネス、ダイバーシティの活用、などをテーマに講演、セミナー、執筆、取材を致します。