高齢化社会を迎える日本
エコノミストという、ロンドンで発行され、世界中で読まれている雑誌があります。今週号では、世界で最初に本格的高齢化社会を迎える日本をテーマに、特集が組まれています。
私も半世紀以上生きた人間、高齢化社会は関心のあるテーマですので、エコノミスト誌が外からどう日本を見ているかという視点から、見出しだけご紹介したいと思います。
(ご注意: ここに載せた翻訳は、筆者個人による意訳です。)
トップ記事
「日本現象」
世界で最初に、本格的な高齢化社会を迎える日本が、世界中に教えるだろうことは、人口の高齢化が経済成長にブレーキをかけるということだ。
トップ記事の正式な全訳はこちら。
特集記事
「未体験ゾーンへ」
日本は歴史上のどの国よりも高速度で高齢化している。そして、その測り知れないほど大きな経済、社会的結果も含めて。なのになぜ、日本はそのための対策を殆ど講じていないのか?
「変化を作りつつある」
数十年間に及ぶゴタゴタ状態を抜け出し、日本の政治は動き始めた。
「下りエスカレーター」
人口減少のために、成長に再び点火することも、デフレの収束も困難になる。
「インサイダーとアウトサイダー」
かつて神話にまでなった日本の企業文化は、減少した労働力人口を抱え、知的価値を生み出すべき今の経済に不適合である。
「企業の安楽死」
国内産業の生産性を上げるために、日本は古くさい、利益の上がらない会社をつぶさなければならない。
「再び充電するために」
日本には、強い、革新的な能力がある。しかし、それをもっと上手に使う必要がある。
「社会不安」
日本の社会保障法案は手が付けられなくなりつつある。
「友人と隣人と」
日本の近隣諸国では経済発展が著しいというのに、日本とそれら隣国との外交関係は複雑化しつつある。
「出産不足」
なぜ若い日本人たちは、そんなに出産に消極的なのか?
「文化革命を!」
上品な凋落を止めたいなら、日本は思い切った手段を採らなければならない。
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個人的な感想ですが、読んでいてうなづくことが多いと共に、ちょっとこわくもなりました。
この記事では、日本で言えない、または言いにくいだろうこともスパスパ明快に論じています。女性差別や、外国人の移住に対する厳しい規制を止めて、労働市場縮小に歯止めをかけよ、などは、日本国内で日本人にはなかなか言いにくいのでは?です。外から見る方が日本の現実はクッキリ見えるのでしょうか。
人口の年齢構成の変化という大きな流れは現実のことで、誰にも変えられません。その事実を見据えて、将来設計をしなければならないのは、政策責任者だけでなく、個人にも充分当てはまると、自省しながら思いました。
それははまた、日本の消費者層全体が、高齢化するということでもあります。ICT企業にとっても、45歳以上の人々にとって使いやすい、必要とされる商品、サービスを開拓、充実させる必要が増大するでしょう。何故45歳か?ーーそれは、この年齢層はディジタル後発市民であり、またそろそろ老眼の始まる時期でもあるからです。
注:図表、イラストはエコノミスト誌より引用