30年ぶりに戻ったら (175) — 誕生日を知らせるのは自分

【それをお知らせするのはわたし】

きょうはわたしの誕生日です。

朝から色々な方たちが、メッセージを送ってくださる。

ありがとうございます!

ヨーロッパでは自分の誕生日を周りの人々に知らせるのは本人自身だ、
と知った時には驚いた。
なぜそうなるのか、訳がわからなかった。
祝い事を自分から言うなんてヘン、
第一そんなの淋しいじゃないの、と思った。

パリにいたときのこと、
ある日の終業時刻間近に、同僚のヘレンがわたしのところにやって来て言う、
「きょうはわたしの誕生日だから、アペロ(簡単なレセプション)をするわ。後でわたしのオフィスに来てね。」

ヘレンとは課が違うためもあり、個人的に親しい友人というほどではなかったが、
廊下でよくすれ違い、二言三言、言葉を交わすぐらいの間柄ではあった。

仕事を仕舞ってヘレンのオフィスに行くと、
仕事机の上に、ワインやチップス、チーズなどが置かれていて、
やはりヘレンと同じ廊下の両側にオフィスを持つ同僚たちが集まっていた。

ワイングラスはプラスチックの使い捨て。

気楽なものだった。

こんな場所が、顔はしょっちゅう見ていても普段は言葉を交わしたことの無い
オフィスの近い同僚たちと話をする機会になった。

ヨーロッパでは、何も言わずに黙っていてはその人はそこにいないことと同じである。
そういうの文化の中では、自分の誕生日も本人が知らせなければ誰も知らないことになるのだろうと思う。

わたしの日本の職場だったら、
誕生日であれ、
ほかのお祝い事であれ、
同僚の誰かがその日をいつの間にかに知っていて、
あらかじめなにがしかの準備を整え、
当日に課をあげてお祝いしたものだが。

それでも、ヨーロッパのこういう気楽さを、わたしは好きだった。

それもまた良し。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。
世界はこんなものだということで。

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学びのポイント:誰かがあなたに気づいてくれるのを待つよりも、あなたが自分から言った方が良いことは何だろう?今日は一つ見つけてみませんか。

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