30年ぶりに戻ったら (91) — 質問に答える子ども
【ヨーロッパの子どもの回答力】
イースターのお休みを利用して、ジュネーブの友人ダニエラが子ども2人を連れて日本に来ている。
その3人を浅草に案内した午後のこと。ダニエラと上の娘のニキアがアイスクリームを買いに行った。2人を待つ間、下の9歳の男の子マチューと私がテーブルに二人だけになった。
これは良い機会だ!ヨーロッパの子どもがどれほど質問に鍛えられているか、試そうではないか。😚
私はマチューにいろいろ聞いてみた。
私 昨日はどこに行ったの?
マ タンプル(フランス語で寺)だよ。(前日も彼はダニエラと姉と浅草寺に行った)私 ふうん。キミはそのタンプルを好きだった?
マ ウイ。色々な色で飾ってあって凄く綺麗だった。
私 特に好きだったのはどの色?マ オレンジ色っぽい赤だよ。
ママの友人で初対面の私に物怖じもせず、次々に答えが返ってくる。それも的確である。
うーーん、私は思わずうなった。
日本人の9歳の子どもが、こういう答えをするだろうか?
マチューよ、君はママのダニエラや学校の先生にいつもいつも質問されて育ってきたに違いない。その度に、自分の頭で考えて答えるよう、いつの間にか練習を積んでいたんだね。
私の見聞きした範囲だから、これがヨーロッパの子どもだ、などど断定するつもりは無い。
しかし、ヨーロッパは何かを尋ねられて「えーー?わからない、、」「わたし、どっちでもいいわ〜」という答えが無い社会と言って、そうそう外れてはいないと思う。
ヨーロッパの言語には必ず主語がある。誰が何をした、という型に従って思考を組み立てる。従って、日本語の「わからない」とヨーロッパの言語である英語のI don’t knowは互いに異質なのだ。
三つ子の魂100まで。マチューの数十年後の人々が、今あなたの出会うヨーロッパ人である。
さあ、ダニエラがマチューと私にもアイスクリームを持ってきてくれた。
これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:質問に答えるチカラをつけるためにも練習が必要だ。子供たちにマメに質問して、自分で考えるチカラのある未来の日本人を育てよう。それは日本のためになるのだ。
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