30年ぶりに戻ったら (179) — 靴のお作法

【日本人て、靴に対しても本当に律儀】

先日、歯科医院に行ったときのこと。

ドアを開けるとそこは玄関だった。靴を脱ぐ場所なのだ。下駄箱もちゃんと置いてある。

え?!と一瞬思って、それから、ああ、日本では医院に入るときも靴を脱ぐ場所がまだあるんだなと思った。入り口で靴を脱いで中に入るという点では、自宅も医院も同じなんだけれど、お医者で靴を脱ぐことは、わたしには何十年間無かったことなので、一瞬え?となったのだ。

こういうところ、日本て面白い。

靴を脱ぐ文化があるからこそ、脱いだ靴を揃える文化があるんだと思う。

わたしのヨーロッパの友人たちにはそんな習慣は無かった。彼、彼女らはわたしの家に入るときには靴を脱いだが、それはわたしが「靴を脱いでね」とお願いしたからだ。

しかしその靴の脱ぎ方は、日本の幼稚園の子供たちの方が数等上だと思った。左右の靴はあっちとこっちを向いたまま、床に転がされていた。靴を脱ぐ習慣が無いのだから、脱いだ靴の扱いなど考えたことも無いに違いない。

日本のことに戻ろう。

ある晴れた早春の日、近所の小川の堤を歩いていたら、河原に靴が2足、キチンと揃えておいてある。この川に飛び込んで溺れて死ねるような深さはないし、はて?と思って見廻すと、高校生ぐらいの男の子たちが川に入って遊んでいた。

やんちゃな高校生男子でさえ、こういう場所でも靴を揃えるのかと、彼らのすることがなんだかおかしいような、可愛いような気がして、思わずニッとしてしまった。

日本人て、靴に対しても本当に律儀。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント: あなたの無意識の行動にあなたの文化が表れている。今日は一つそういう物を見つけてみよう。

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