帰欧は暖かい布団から出る冬の朝のようなもの
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【そこにあなたの思い込みがひそんでいるかも知れない】
店の人の応対がひどくぶっきらぼうでした。
「どのビール?」、「どのサイズ?」
ビールやグラスを指さして次々に私に聞く彼女。
「なんて無愛想な!」
初め私はそう思い、次の瞬間気がつきました。
「あ、これは私の感じ方なんだ。」
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ベルギーのブラッセル空港でのことです。日本からジュネーブに帰る途中の乗り換えでした。
ベルギーには、一村一ビールと言えるほど様々なビールがあります。私はそのベルギービールが大好きです。だから、ブラッセル経由の飛行機に乗るときは、乗り換え時間に本場のベルギービールを一杯飲むのがとても楽しみです。
今回も11時間のフライトを終え、次のフライトの搭乗口近くにあったバーにやくやくと立ち寄っりました。
ヨーロッパに戻った最初の瞬間に出会った人が、バーのカウンターにいた女の人でした。
「どのビール?」、「どのサイズ?」
ビールやグラスを指さして次々に私に聞く彼女。
「なんて無愛想な!」
初め私はそう思い、次の瞬間気がつきました。
「あ、これは私の感じ方なんだ。」
二週間の滞日中、どのお店に行っても人々の応対は親切で丁寧でした。帰路は日本の航空会社のフライトだったのですが、成田からブラッセルまでの11時間、超のつくほど良く気がつき、そのうえ微笑みを絶やさないキャビンアテンダントの方々に11時間も面倒を見て貰っていました。
ついさっきまでこんな状態だったので、私の頭の方がヨーロッパモードに切り替わっていなかったんですね。
バーの女の人はぶっきらぼうでも何でもないんです。お店の人は自分はお客と対等と思っています。だから特別なスマイルもなければ敬語も使いません。というか、ヨーロッパの言語には日本のような敬語はありません。
けれどもそれは、すっかり日本の接客に携わる人々の優しく柔らかい対応に慣れきっていた私にとっては「え!?」と思うことでした。実を言うと、そこには軽い不快感さえありました。ヨーロッパではお店の人がお客と対等だということを忘れていた私には、「彼女の応対はお客に対しぶっきらぼう」と感じられてしまったのです。
この落差!
丁度、冬の朝、暖かいお布団(日本の社会)から抜け出ると部屋の空気(欧州の社会)が特別冷やっと感じられるように。
欧州に30年近くも住んでいる私ですが、今も学び続けていることを今回もまた思い出しました;
「自分の価値観で人を判断してはいけない」
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