30年ぶりに戻ったら (86) — 日本て季節がゆーーーーっくり変わるのだ

【菜花(なばな)に日本の春を思う】

日本て季節がゆーーーーっくり変わるのだ。

日本しか知らなかった頃は、そんなことを考えたことも無かった。というか、気づきもしなかった。

ジュネーブでは春と夏が一緒にやって来る。山桜とチューリップと藤が一度に咲く。日本でこんなことが自然界で起きるのは、北海道ぐらいではないだろうか?

何年経っても、冬から春に季節が変わり、スルスルと短い初夏が来て夏になるそのスピードに、私の感覚がついて行けなかった。やっと暗くて寒い冬が終わったというのに、暖かくて縮こまった手足も気持ちも解放する季節は2週間ぐらいのものだった。

駆け足で過ぎてゆく季節の変化に花々がせき立てられているようで、気の毒にさえ思えた。

その短い時期だ、私が好物のキャベツの味噌汁を作れたのは。若いキャベツの葉は柔らかくて、日本の普通のキャベツのようだった。

なぜか?

ジュネーブやパリで普段手に入るキャベツは、葉がパサパサで味噌汁にしても美味しくなかった。葉は厚く、キューと巻いており、水分が少なかった。包丁で切るよりカンナで削れるようなキャベツだった。

日本はどうだ?味噌汁に使えるような柔らかいキャベツを1年中売っている。

そして春はもう極めつけ!

「菜花」を今年初めて知った。野菜の若芽を菜花と言うらしい。私が日本を出る前には確か無かったぞ。

小松菜の菜花、白菜の菜花、若葉を付けた柔らかい大根まで八百屋で一緒に並んでいる。それなら、竹の子も竹の菜花みたいなものだ。

そういう若い新芽の歯応えといったら!蒸すなどして少し火を入れると、噛まなくても食べられるほど芯まで柔らかい😳

こんな美しい成長期の野菜を収穫して市場に出す時間があるほどに、日本の春はゆーーーーっくり移って行くのだ。

これがジュネーブ郊外の畑なら、1-2日でスルスル伸びて一人前の野菜になってしまうだろう。春は短いから、野菜も急ぐのだ。

こういうとき、日本の人々はこの気候のおかげで随分得をしていると思う。若い野菜をゆっくり味わう時間を天がくれているようなものなのだから。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:季節のありようさえ、どこでもアタリマエではない!

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