30年ぶりに戻ったら (185) — おはぎ
【手に入らなくなって初めて分かる良さ】
あ、きょうはお彼岸!
思い出して良かった。
用足しに家を出たついでに、夫婦でやっている近所の和菓子屋さんでおはぎを買ってきた。
しみじみ嬉しい。
おはぎがサラリと苦も無く手に入る生活。
ジュネーブにいた頃、
日本のある友人が、きょうはお彼岸なので母上がおはぎを作った、とメールに書いてきたことがある。
もう、うらやましかった!
ジュネーブでは、おはぎなんて逆立ちしたって無理。
私は特段おはぎが好きだった訳では無い(別に嫌いでも無いが)。
日本にいた頃は、
洋菓子の方が和菓子よりも好きだったぐらいだ。
長く外国に暮らすと
時々、そこでは決して手に入らない日本のあれこれが無性に食べたくなるのだ。
手に入らなくなって初めて分かる良さは、食べ物にもある。
そして、味覚とはとても保守的なものだとわたしは思う。
ヨーロッパにも美味しいものは沢山ある。
また、材料を揃えて、口に合う家庭料理を作ることも容易にできた。
それでも、日本の食べ物は日本で食べるのが一番美味しいと感じられる。
日本だけではない。
どの国の食べ物も、その食べ物の生まれた土地で食べるのが一番美味しいと思う。
そして、きょうのおはぎ。
ふふふ、、こんな珍品がここではいとも易々と手に入ることが嬉しくて
食後に二つ平らげたわたしであった。
これはどちらが良い悪いという話ではありません。
世界はこんなもんだということで。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
学びのポイント: あなたにとって、食べられなくなって初めて気づいた好きな食べ物はありますか?それは何ですか?今日はちょっと思い出して見よう。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
- おなじテーマの人気記事はこちらです→
- 欧州生活30年の経験をもとに、講演、セミナー、執筆、取材を致します。テーマは国際ビジネスにひそむ見えない文化ギャップ、多文化共生、など