どんな人?この赤い袋を受け取るのは — スイスの男女平等賃金の日に気づいたこと
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【どんな人?この赤い袋を受け取るのは】
今年(2017年)の2月24日はスイスの男女平等賃金の日でした (Equal Pay day, EPD)。これはどういう意味かというと、スイスでは男性が21月31日までの1年で稼ぐ賃金と同額の賃金を女性が稼ぐためには、翌年の2月24日まで働かなければならないということです。
ここには、男女同じお給料を払ってください!という主張が込められています。
スイスにそんなに賃金格差があるの?
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はい、あるんです。
これでも、今年のスイスの男女平等賃金の日は世界で一番早いのです。フランスは3月31日、アメリカは4月14日、日本はもっとずっと後です。
私もその朝、ジュネーブ国際空港で男女平等賃金の日の象徴、赤いバッグを配布しました。EPDの象徴、真っ赤な色の紙の袋です。EPDを世界中で推進する働く女性のNGO(市民団体)Business & Professional Women (BPW) の仲間たちと手分けして配りました(写真)。
2時間たらずの間に全部で500は配ったでしょうか。ということは500人が受け取って下さったということです。
どういうふうに配って、どんな方が受け取って下さったんでしょう?幾つか面白い事に気づいたので書き留めておきましょう。皆様もチラシなどを配るときに参考になるかも知れませんよ。
- バッグを配るときにその理由を説明すること。私たちは商品のプロモーションではなく、賃金の男女平等を訴えています、と短い言葉でも説明すると、たいていの人は表情を和らげて袋を受け取ります。商品の販促か、うるさいな、と思っていたのが「ああ、女性に役立つことをしてるんだな」という理解に変わる瞬間です。そして多くの女性と男性が共感してくれました。
- 人の好奇心に気づくこと。そのためには人の流れを見て袋に気づいて貰いやすい位置に立つこと。EPDの袋は深紅、遠くからも目立ちます。半分弱ぐらいの人はこの目立つものに「何かしら?」と好奇心を持ちます。
- その好奇心を持った人の半分ぐらいが赤い袋を受け取ってくれます。
- 空港到着ロビーの人々は大きな荷物を抱え、忙しい人が多い場所です。袋を差し出した時「いりません」と言った人の3分の2がこの状態でした。
- 税関を通って到着ロビーに出てくる人の過半数がフランス語を話す人、3割ぐらいが英語を話す人、残りはドイツ語、アラビア語など色々な言葉です。これは何かを配るために大事な情報だと程なく気づきました。どちらかというと、英語を話す人たちの方が、フランス語を話す人たちよりも袋を受け取る率が高いようです。理由はわかりませんが、面白いですね。
- 自分の予断で人を怖がってはいけない。通り過ぎる人に袋を差し出すのはちょっとした勇気のいることでした。立て続けに断られると勇気がしぼんできます。人の顔を見て受け取ってくれそうな人に袋を差しだし始めます。けれども、それは考え過ぎなのだと気がつきました。気むずかしそう、と私の目に写った人でも勇気を出して袋を差し出し、その理由を説明すると顔に笑顔と好奇心が広がるのです!ああ、声をかけて良かった!その瞬間、勇気が出ます。
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