30年ぶりに戻ったら (63) –やっぱりムッとして、それが懐かしいスイス
【お客様は神様じゃない】
先日見慣れない差し出し人からメールが届いた。あやしげなハッカーか?と思ったが、メールアドレスを良く見ると、私がスイスで使っていたU銀行のアドレスのようだ。
今頃なに?と思ってメールを開けると、なつかしくも腹立たしいスイスの香りが立ちのぼってきた。
「あなたは私たちの銀行にお問い合わせになりましたね。つきましてはこの番号に電話してください○○(スイスの電話番号)。」
これこれ、これですよ!
スイスでは、というよりおそらくヨーロッパではどこでも、お店や会社がお客に電話をかけさせるのだ。
日本ではあり得ないのではないか、こんなこと?日本では「お客様は神様」であるぞ。
30年に亘る欧州生活でたいがいのことには慣れた私だが、自分が用事があるのにお客に電話をかけさせる、それを言って平気でいる精神にはいつも嫌な感じを受けていた。しかも今回は国際電話だ。こういうところ、私も結構頑なな日本人なのかもしれない。
腹立たしいからメールでこう言ってやった。
「御連絡をありがとう。では、XX-XXX番(私の電話番号)に電話してください。なおこちらの時間はスイスより8時間進んでいますから注意されたし。」
翌日そのメールの差し出し人氏から電話がかかってきた。そして要件はすんなり終わった。
ほらね、スイス人だって言えばわかるのだ。
だけど、どうして人に言われないと自分からお客に電話してこないのか?
これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
学びのポイント:世界に名だたるスイスの銀行の顧客サービスがこうなのだ。日本のサービス業の人々ももっと大らかでいいのではないか?その方がお互い楽ではありませんか?
*************************
- おなじテーマの人気記事はこちらです→
- 欧州生活30年の経験をもとに、講演、セミナー、執筆、取材を致します。テーマは国際ビジネスにひそむ見えない文化ギャップ、ダイバーシティとイノベーション、など。