30年ぶりに戻ったら (89) — 昭和こそ私の思い出
【そうよ、これこれ、私の知ってる日本!】
私は平成という時代を全く知らない。今、私のいない間に色々な点で変化を遂げた日本を折に触れて学び直している気分だ。
例えば、母校の県立高校が今では中高一貫の学校になっていると聞いて驚き、コーポレートガバナンスというものができていると知って「はあ?」としか言えなかったり。
今日、偶然浅草橋界隈のこのお店に入ったとき、初めて来るお店なのに懐かしかった(写真)。ここには私が小さい頃に住んだ東京の下町、千住緑町で目にした光景があった!
このキャベツの千切りを盛り付けたお皿をカウンターに富士山みたいに積み上げて、調理場では人々が忙しく立ち働いていて、カウンターの上には常連さんらのお酒の瓶が並んでいるような場所。これこれ、私のノスタルジーはここにある!
今、昭和は「ショーワ」と呼ばれて何やら意味ありげな扱いを受けている。けれど、昭和こそ私にとって思い出のある日本なのだ。
アイガー北壁登頂の英雄で、今はジュネーブで登山ガイドを務める加藤氏がぽつっとおっしゃったことばが蘇る–「グリンデルワルドの、あの駅から街に目をやったときの景色、40年経っても変わらないなあ」
浅草橋の「とんとん亭」(それがこのお店の名だ)、いつまでもこのままでいてね。
これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。
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学びのポイント:きっと思い出は人の心の栄養なのだ。
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