30年ぶりに戻ると (100) — 易しいことほど難しい
【日本ってなにかとラクチン! 眼鏡の巻】
易しいことほど難しい
難しことを書こうとしているのではない。日本ってなにかとラクチン!と今日またしみじみ思ったのだ。
今日やっと眼鏡を作りに行った。いままでずっと、ジュネーブで作った度の合わない眼鏡を使い続けていた。日本に戻ってから1年間、それをほおっておいた。そこで、今日という今日は!とハラを決め、最寄り駅前のめがね屋さんに入ったというわけである。
日本ていい!
フレームを選ぶ。30年前に比べて随分お洒落になった。品質の良いことは勿論だ。
そのフレームが鼻からずり落ちてこない!!😄
この嬉しさ、わかって貰えるかなー
ヨーロッパにお洒落なフレームは沢山あった。Alain Mikuliというブランドなんか、好きだった。
だ・け・ど!
試せど、試せど、どのフレームも私の平べったい顔の上にお座りしていてくれない。鼻からずり落ちる。ヨーロッパでは私に眼鏡のフレームを選ぶ権利はなかった。私の鼻の上に乗って落ちないものが、私にとって良いフレームだった。(写真は今まで使っていたデンマーク製のフレーム。これはまだ良い方だった。)
視力検査で、また嬉しくなった。
と・て・り とかなんとか、平仮名を読めばいいのだ。なんてラクチン!
今まで30年間、私はこれをフランス語でやって来た。EだのRだの、フランス語特有の発音をしなければならないアルファベットが幾つもある。検査技師も外国人を扱いなれているのだろうか、忍耐強かった。
「この円に一箇所切れ目があります。どこですか?」という検査がある。
斜め左上とか、右下とか、答える前に私は先ず口の中でフランス語で一回言ってみて、それから声に出していた。日本語ならそんな面倒もなく、思った通りをスラリと口にすれば良い。
あーー快感!
その上、日本人の検査技師さんは優しい。
「あ、そうそう、正解です」と言ってくれる。
パリでもジュネーブでも眼鏡を作ったことは何度もあるが、正解だと言ってくれる人はいなかった。
これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。
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学びのポイント: 日本語を使えてアタリマエではないと心得よう。もしあなたが日々日本語を使って暮らしているなら、そのことに感謝しよう。
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- 欧州生活30年の経験をもとに、講演、セミナー、執筆、取材を致します。テーマは国際ビジネスにひそむ見えない文化ギャップ、多文化共生、など。
「世界」はこんなもんだということで——いつも最後に添えられるこの言葉。私は好きです。「 」に仕事・人・人生などを勝手に入れて、ちょっとひとやすみしています。
「世界」を他の言葉に置き換えておられるんですね。なるほど−−!面白い発想です。