65/70の日々 — 誰の本音も美しい
【気取る余裕なんか無い。だからこそ】
今日は課題提出の締め切り日である。私のクラスでは自作の英会
話動画を作って私に送ることが前期試験とした。時間は1分以上3分以内。テーマは「日本の食べ物」
前回時間を条件にしなかったら失敗したのだ。大半の学生がの1分以下、つまり数十秒ぐらいのビデオを送ってきた。これでは会話にならんやんか!
のんびり屋の学生たちもだが、試験の二文字はちゃんと気に掛けるようだ。今日は続々録画が届く。
どの学生も一生懸命。
彼女たちの訥々とした語りから、私は唐揚げや味噌ラーメンの作り方を教わる。中には課題はともかく、自分好きな故郷の食べ物の話をする学生もいる。
自分たちで会話の脚本を作って会話する学生もいる。
一人でスマホに向かって語る学生もいる。
きっとどの学生も、私のクラスに来るまで英語なんか話したことがないんだと思う。どの子も話すどころか、発話がやっと。発音?それはまだ先の話だ。
けれども美しい!
上手いヘタではなく、どの子の語りにも人を引き付ける力がある。
初級の初級、彼女たちに気取る余裕なんか無い。
どの子も全力で言葉を紡いでいる。語ったことがそのまま心にあること。
その彼女たちの作品に点を付けるのが私の仕事だが、さてどうしたものか。会話にどーやって点を付けるんじゃ?と新米教師の私は思うのだ
まあ、アバウトな点を付けておこう。これが私と学校の妥協策なのである。
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