30年ぶりに戻ったら (107) — お煎餅は保存食品か?

【あーーお煎餅は保存食品と思っていた私!】

ヨーロッパに住んでいたときのこと。たまの一時帰国の際には、いろいろな日本食料品を買ってヨーロッパの家に船便で送ったり、トランクに詰めて持ち帰ったりしていた。1リットル詰めのお醤油のプラボトルを4本を送ったこともある。2キロ詰めコシヒカリの袋を2袋持ち帰って大事に炊いた。

お煎餅はそういう中の持ち帰り品の一つだった。

日本にいた頃、私は自分がお特段煎餅好きだと思ったことは無かった。ヨーロッパに住んでそれがどんなに贅沢なことだったか、気がついた。

こんな美味しいお菓子はヨーロッパにない!😄

あの歯応え、なんとも言えない塩味(私は塩せんべいが好き)、そのうえ低カロリー。

お煎餅なんぞは私の住んだ街の日本食料品店にもいろいろな種類がおいてあった。当然値段は日本の倍以上はした。

そういう食環境のなか、私は日本からお煎餅を持ち帰ると、大事に少しづつ食べるのが楽しみだった。うふふふ、、、。

ところが、である!3ヶ月経って気がついた。

味が違う。お煎餅の味が古くなっている!😲

私の住んだジュネーブやパリは気候が日本よりはるかに乾燥していたから、パンは古くなってもカビは生えず、堅くなるだけだった。そんな気候のなかでも、お煎餅は何となく湿気り、あのパリパリした歯応えは失われていった。

あーーお煎餅は保存食品と思っていた私!日本にいたときには、お煎餅が古くなるなんて気付かなかった。あらゆる種類のお煎餅が難なく手に入ったから、3ヶ月も大事にとっておかなくても良かったのだ。

あの日々から30年。再び住む日本の私のささやかな楽しみは、美味しそうなお煎餅が並ぶ目も眩むようなスーパーの陳列棚の前で、あれこれ好きなものを物色し、易々と手を伸ばしてはかごの中に放り込むことである。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:あなたは今住んでいる場所で、気付かないけれども大きな恩恵を受けている。今日は一つそういうものを探してみよう。

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