30年ぶりに戻ったら (96) — 公衆電話機は日本の安全の象徴
【公衆電話機を、盗む!?!?】
私がまだ日本に居た頃、外国から来た人々と箱根のホテルに泊まり込んで仕事をしたことがある。どの人も電話会社に勤める人々だった。
東京から箱根に行く途上、駅に赤い公衆電話が置いてあった。外国の人々は皆、その電話機に驚いた😲。
「こんなところに現金の入った電話機を置いて、危なくないのか?!」
その質問に私は驚いた。何を聞かれているのか分からなかった。
彼、彼女らは、「この公衆電話機はコインを入れて使うようになっている。そのようなものを無防備に誰もが通る場所に置いて、盗難は無いのか?」と言うのだ。
「公衆電話機を、盗む!?!?」
私はもっと驚いた。
先日、東京都心のある駅で、通路におかれた公衆電話機を見て、その経験を思い出した。
今なら分かる。北米やヨーロッパから来た人たちが、なぜあの時日本のどこにでもある公衆電話機を見て驚いたのかを。
コイン式の公衆電話機は、言ってみればコインの詰まった箱だ。それがポツンと公道に置いてある。見張りはいない。防犯ベルもない。ましてや頑丈なワイヤで柱にくくりつけてあるわけでもない。
手っ取り早く現金の欲しい人に取っては、これは格好の標的ではないか!
フランスにもスイスにも公衆電話はある。けれども、大半はカード式に変えてしまった。たまにあるコイン併用の電話機は、頑丈な柱や壁にガシッとくっつけて設置してある。日本の電話機のように、2-3本の弱々しい電気コードや電話線だけで壁と繋がっているようなつくりの物は見たことが無い。
公衆電話機のこんな無防備な姿は、日本の安全の象徴だ。だからもう珍しくて、つい写真を撮ってしまった。
そして密かに、あーー30年、外国に住んで私も人が悪くなったかと思う😨
これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。
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学びのポイント:安全はもしかしたらあなたの気付いていない大きな財産だ。今日はその安全を可能にしている日本の人々に感謝しよう。
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コイン式の公衆電話機の有無で安全が分かる!目から鱗が落ちました。
面白がっていただけて何よりです!