30年ぶりに戻ったら(128) — これが日本の”フツー”の世帯?
【いくらなんでも古いんじゃないか?】
わたしは団地に住んでいる。
先日届いた入居者調査の記入見本を見て驚いた(写真)。世帯主の男性が働き、その妻は無職。子どもが2人で、母親と同居。
これがまだ日本の「一般的な」世帯の姿ということ?
いくらなんでも古いんじゃないかと思い、調べてみたら男女共同参画白書にあった。1997年に、雇用者が共働きである世帯の数が、男性だけが働き妻が無職という世帯を上回り、以後20年以上その差は開き続けている。
人の観念とは、現実が変わってもなかなか変わらないのだろう。わたしも気を付けよう。
今から30年前、パリで暮らし始めて間もない頃のこと、忘れられない光景がある。
仕事の帰りに夕食の材料を買いに寄ったスーパーで、勤め帰りらしい男性が買いものをする姿をよく見かけた。彼らが小さい子どもを連れていることは珍しくなかった。その姿に30年前のわたしは驚き、感心したものだった。わたしが出て来たばかりの東京の会社では、男性は深夜近くまで連日残業していたから。
当時のわたしの職場では、妻の転勤に夫が仕事を辞めて着いてきたというご夫婦を二組知っていた。どちらもアメリカ人だった。「やっぱりアメリカは進んでる!」とわたしは思ったものだ。
かと思うと、スイスで驚かされたことがある。
スイスには日本のような学校給食の制度が無い。スイスには、夫と子どもは昼食のために帰宅する習慣があったので、学校で昼ご飯を食べる設備は不要だったというのだ。(校内に食堂のある学校もあるが、日本の完全給食制度とはその目的が根っから異なる。)
「こんなことではわたしは働きに出られない」と言う女性の声をあちこちで聞いたものだった。その時わたしは、日本の学校給食が女性たちに時間の自由を与えたことに気がついた。
これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:現実に目を向けないと、あなたの仕事は的の外れたものになってしまうかも知れない。そういうことがないか、時には振り返って見よう。
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①スイスには 学校給食がない。
②アメリカの夫婦の生活、妻の転勤で夫が会社辞めた。
ところ変われば、営みのスタイルが変わるんだ。
面白い!
コメントをありがとうございます。世界にはいろいろな考え方があることを知ると、自分の選択肢も拡がりますよね。