30年ぶりに戻ったら (83) — 世帯ってなに?

【統一地方選挙にまた思う】

自宅に投票所入場整理券が郵送されてきた。その封筒に赤字で書かれた注意きに目が行った、「世帯全員分の投票所入場整理券を同封しています。」

どうして投票に必要な書類を同一世帯でまとめて同じ封筒に入れるのだろう?

投票は個人の権利のはずだ。なぜここで世帯が介在するのか、理由がわからない。

それで、いつか聞いたことのあるアフガニスタンの選挙制度を思い出した。

アフガニスタンでも国民に選挙権はあるが、投票は家族単位なのだそうだ。つまり家族全員が同じ候補者に投票する。

今もその制度のままかどうかはわからない。しかしその話を聞いた時は、これでは女性の意志が選挙に反映されにくいだろうと思った。

私はスイスでも選挙をした。永住権を持っていたからだ。ただし、私の選挙権は、コミューヌ(スイスの政治組織の最小単位)に限られていた。州や連邦レベルの選挙権は私にはなかった。

それでも、スイスに暮らす市民として自分が受け入れられたような気がして嬉しく、投票日には日曜朝に早起きして村役場に設けられた投票所にヤクヤク出かけた。

外国人に一定の選挙権を与える国、個人ではなく家族の意志を投票で表明する仕組みを持つ国、そして、投票という行為の手続きが家族で括られる国。いろいろあるのである。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:選挙にはその国の本音が結構よく表れる。個人が先か家族が先か、その国は外国人居住者とどうつきあうか ーー 皆国の造りの基本だ。

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