30年ぶりに戻ったら (155) — 知らない人に声をかけてみませんか?
【ウグイスと人と】
ウグイスの声を聴きに歩きに出る、これがわたしの日課になった。
コロナ禍で外出が無くなり、代わりに始まったZoom漬けの日々、忙しいがメリハリが無い。
運動不足で体重が増え始めた。
そこで、家の裏手の方に歩きに出ると、まだ下総台地に特有の深い雑木林や田んぼの残る川辺の道を知ったのだ。
その雑木林の中から、澄んだ美しい啼き声が響き渡る。
ケキョ、ケキョ、、、ホーーーーホケキョ
ウグイスの声に足を止める時間がなんと嬉しいことか!
スイスにいた頃、家の周りの森や畑の中をよく歩いた。
スイスとこことの違いは、すれ違う人の人数だ。スイスが1なら、今の散歩道は10ぐらい。
ところで、見知らぬ人と狭い道ですれ違うとき、なんとなく目線に困ることはありませんか?
スイスでは村や野の道で誰かとすれ違うと、互いに声を掛け合った。
Bon jourとか。
それはお互いに敵意の無いことを表している、と解釈する説もあるが、まあいいではないか。
無言はどうもやりづらい。
そこで、ここでも挨拶の声をかけてみることにした。
わたしだってウグイスの声を聴いていないときは、歩いてはいるものの、人に声をかける余裕はある。
「こんにちは」「おはようございます」
今までの経験だと、女の人たちは大抵挨拶を返してくれる。
男の人は半分ぐらい。
年齢でいうとお年寄りは大抵挨拶を返してくれる。なかには全く無視するおじいさんもいるが、それはそれでまた良し。
若い人でジョギングや、スポーツウオーキングをしている人は、男女や年齢にかかわらず、まず返事をしない。
反対に、人に挨拶の声をかけられたことは、まだ無い。
今までに貰った挨拶で忘れられないものがある。
“Vous êtes belle!”(あんた美人だなあ!)というもの。
パリの朝、出張の時だったと思う。人を訪ねて行こうと身支度を調えてホテルを出たときだった。道ばたで何やら工事をする人たちが2-3人いた。
その時、彼らがこう言って朝の挨拶をしてくれたのだった。
一遍にパリが好きになった。
これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:挨拶は先に声をかける方が気分が良い。今日はあなたも試して見よう。
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